ダンビー工法
概要
ダンビー工法は、既設の管きょを非開削で効率的に更生する工法です。 まず、既設管きょ内面上部にスペーサーを設置します。その後、硬質塩化ビニル樹脂製の帯板(ストリップ)をマンホールから既設管きょ内に送り込み、管きょの内面にスパイラル状に巻き立てます。 次に、隣り合うストリップ間を接合用かん合部材(SFジョイナー)でかん合し、連続した管体(ストリップ管)を形成します。最後に、ストリップ管と既設管きょとの空隙に充てん材を注入することで、既設管きょと更生部材とが一体となった更生管(複合管)となり、高い強度と水密性を発揮します。さらに、中央溝部と伸縮部を併せ持つSFジョイナーを使用することにより、更生管は優れた耐震性能を発揮します。
施工方法(標準施工)
1.洗浄工
高圧洗浄機により、施工区間の管きょ内の洗浄を行います。 管きょ内に突起物や欠損、浸入水などがある場合は、必要に応じて事前処理を行います。
2.スペーサー取付工
充てん材注入用のスペーサーを、アンカーボルトを使って施工区間の管きょの上部に取付けます。注入ホース牽引用ワイヤも、この時に通しておきます。
3.製管工
ストリップをマンホールから既設管内に引き込んで、管きょ内にスパイラル状に巻き立て、これを製管機を使ってSFジョイナーでかん合し、連続したストリップ管を形成します。
4.充てん材注入工
スペーサーで確保した空間を使って充てん材注入ホースを往復させながら、既設管とストリップ管の隙間に段階的に充てん材を注入します。
特長
更生管の特長
- 硬質塩化ビニル樹脂なので、耐薬品性、耐摩耗性及び耐久性に優れる。
- 耐震性に優れる。
- 円形管以外の管きょにも対応可能である。
- 新管同等以上に、耐荷能力が増大する。
- 新管同等以上に、流下能力が向上する。
- 水密性に優れる。
- 施工後の管高の変化が少ない。
施工性の特長
- 下水を流しながら(供用下)施工が可能 である。
- 長距離施工が可能である。
- 施工条件に対応する適応性に優れる。
- 取付管部の処理が迅速にできる。
- 機械製管だけでなく人力製管も可能である。
適用範囲
項目
| 円形
| 非円形
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適用管種
| 鉄筋コンクリート管きょ等の剛性管
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対象管の管径など
| 800~3000mm
| 短辺800mm以上 長辺3000mm以下
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既設管状況
| 段差
| 最大100mm
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隙間
| 最大150mm
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屈曲角
| 標準ストリップ使用時
| S形・L形
| 6°以下の継手部
| 3°以下の継手部
| |
LL形・LLS形
| 8°以下の継手部
| 4°以下の継手部
| |||
曲線用ストリップ使用時 S形・L形
| 12°以下の継手部
| 6°以下の継手部
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曲率半径
| 標準ストリップ使用時
| S形・L形
| 20mR以上
| 50mR以上
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LL形・LLS形
| 7DR以上
| 15BR以上
| |||
曲線用ストリップ使用時 S形・L形
| 5DR以上
| 10BR以上
| |||
下水供用下
| 水深:既設管径の30%以下かつ40cm以下 流速:1.0m/sec以下
|
D:既設管呼び径、B:既設管内幅